掛軸との出会い

この掛軸は2018年に初めて自分で作った紙装小掛軸です。
 我ながらかなり渋い作品になりました(笑)  

私はもともとアクリル画を描いてて、 
キャンパスで大きな絵を描くのが好きで、
 観るのも好きで、 ミケランジェロの最後の審判やメキシコの壁画なんて、画集で見るだけでワクワク感が止まらない。

 ダイナミックでパワフルな絵が好きだ。 体力があったらバカでかい作品にチャレンジしたい!!! なんて夢想することもあるのだが、 もちろん問題は体力や若さだけではない。 仕事にならなければゴミの山に埋もれることになる、という厳しい現実が待っている。

 有り難いことに今の時代は優れた画材のお陰で誰でも手軽に絵が描ける。 基底材を作ったり、絵の具を作ったりなんて 七面倒臭い事をしなくても良いのだ。  
有り難い。
 有り難いんだけど、不安にもなる。 ぜんぜんエコな生活ではないのでは?と自問自答してしまうのだ。

 良いのか?このままこんな生活を続けていて···· ちなみに私は顔料でアクリル絵の具を作っているが、 展色材は丸ごと市販の物だし、その他モロモロ画材も考えると、化学に疎い人間にとって自然に優しいゴミかどうかも分からなくなるのだ。
 こんなこと続けていて本当に良いのだろうか? と真剣に考え込んでしまったのが4年前の今ごろであった。  

そんなこと言っても、好きなことは続けたい。  
そこで思いきって今まで拘ってきたことを全て捨てて、もう一度真っ白な気持ちで、真っ白な紙の上に立ってみたいと思った。
 形式にも拘らず、新しい事を学んでみたい・・そう思ったのだ。  

その時、頭に浮かんだのが掛軸という言葉だった。 1年という短い期間、掛軸の作り方を学んでみることにしたのは、こんな経緯からであったのでした。    



猫と木天蓼

画家永島あさの作品を紹介しています。 現在は主に墨の表現を追求しています。 よろしくお願いいたします。

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