掛軸と出会って・・・
2018年から2019年まで京都の籔田夏秋先生の表装教室に約一年通いました。
当時掛軸についての予備知識は全くありませんでした。
今まで作品は主にキャンバスにアクリル絵の具で描いてたのですが、
キャンバスは
作ったり張ったりするのが体力的に大変なうえ、
作品がかさ張るので置き場所にも困るという現実的な問題にも突き当たり、
そして懇意にしていただいてたギャラリーが閉鎖されるという事で、
もう一度真っ白な状態になって作品を描いてみたいと思ったことがきっかけでした。
ここ最近は若手のアーティストさんが掛軸風の作品を展示されてるのをみる機会も多くなり、
表現としては面白くて可能性があるように思われました。
そこで表装教室の門を叩いたわけですが、
まず掛軸にするのには和紙のような薄い紙に描かなければいけない。
さて絵具をどうしようか? ということで、
最初は無難に墨で文字を表現した作品を軸にしたのですが、
「発色の良いきれいな色彩を出したい」という想いが強くて日本画の顔料を考えてみました。
ところが岩絵の具は重いので掛軸には向いてないらしく、顔彩を使うしかないとのこと。
そこで画仙紙にアクリル絵の具で描いたらどうだろうかと思い、
ポップな円相を描いて掛軸にしてみました。
円相というのは一筆で円を描いたものなので、円相というよりドーナツかな?なんて苦笑しながら、先生のお力を借りて不器用ながらも何とか二段裂表具を完成させることが出来たのでした。
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